複合アプリケーション - 設計と管理
複合アプリケーション内のコンポーネントは、相互にワイヤリングすることができます。こうすることにより、あるコンポーネントでのユーザーの操作により、別のコンポーネント内にプログラムされたアクションが起動します。この機能は、プロパティ、アクション、型、およびプロパティブローカーを使用することによってサポートされます。複合アプリケーションのコンポーネントは、WebSphere Portal プロパティブローカーを介して相互に情報を宣言、発行、および共有するためのモデルを使用します。
コンポーネントは、共有可能な入力済みデータアイテム (プロパティ、アクション) を発行して、ブローカーにサブスクライブします。コンポーネントは、これらのプロパティとアクションの提供者または受信者として機能できます。
コンポーネントは、個別または一緒に開発および導入できます。また、情報を交換でき、整合性を保ちながら動作できるため、エンドユーザーの操作性が向上します。逆に、一部のコンポーネントを削除しても、残りのコンポーネントは引き続き適切に機能し、整合性が保たれます。プロパティブローカーを使用すると、コンポーネントの開発が容易になり、以前は必要だった開発時の調整を行わずに、コンポーネントを動的に統合できます。複合アプリケーションでは、複数のコンポーネントの集合体であることをユーザーに意識させてはいけません。それによりアプリケーションのユーザーは、アプリケーションやウィンドウを切り替える手間が省けて、業務に集中できるのです。
付加価値を引き出し、組織の生産性を向上させるために、プロパティとアクションを使用してコンポーネント間に因果関係を持たせることができます。プロパティは値をブロードキャスト送信し、アクションは値を使用します。プロパティとアクション間の一貫した通信を確保するために、両者がブロードキャスト送信または使用する値の型を記述する必要があります。これによりコンポーネントを相互にワイヤリングしたときに適切な接続が確保されます。
Property Broker Editor を使用する
複合アプリケーションで使用される WSDL ファイルは、Property Broker Editor を使用して IBM(R) Lotus Domino Designer(R) で作成および編集されます。
このフィーチャーを使用すると、WSDL 形式を理解しなくてもプロパティブローカーのプロパティ、アクション、および型を簡単に記述できます。プロパティ、アクション、および型の定義には単純なインターフェースを使用します。このインターフェースは、エディタ設定保存時にプロパティブローカーの実装に必要な WSDL ファイルを生成します。
このフィーチャーを使用すると、次の操作を行うことができます。
複合アプリケーションのワイヤリングプロパティを定義する
複合アプリケーションを使用する場合、IBM(R) WebSphere Portal(R) プロパティブローカーで情報を交換するためにポートレットが使用するプロパティを定義する必要があります。プロパティブローカーはプロパティのインスタンスと値をポートレットとの間で送受信してアクションを起動します。
プロパティブローカーとは、連携するソースポートレットとターゲットポートレットの関係をセッションで決定し、データを対応するポートレットアクションの書式でターゲットに配信する WebSphere Portal インターフェースのことです。Lotus Domino Designer の Property Broker Editor を使用してプロパティおよび対応するプロパティの詳細を定義するには、次の操作を行います。
1. Lotus Domino Designer を起動します。
2. WSDL ファイルを含む複合アプリケーションを開きます。
3. [複合アプリケーション] - [ワイヤリングプロパティ] をクリックします。複合アプリケーションの WSDL ファイルは、[複合アプリケーション] - [ワイヤリングプロパティ] ビューに表示されます。[新規プロパティ] ボタンをクリックして新しいファイルを作成して、自動的に Property Broker Editor を起動することもできます。
4. 既存のファイルの場合は、編集するために開くファイルを選択してダブルクリックします。Property Broker Editor が起動し、WSDL ファイルを編集できます。
5. キャンバスの [プロパティ] タブをクリックします。[ワイヤリングプロパティ] というタイトルのフォームが表示されます。
6. [ワイヤリングプロパティ] フォームで次の操作を行います。
メモ 省略可能:[プロパティの詳細] インフォボックスの [説明] フィールドに、プロパティの説明を入力します。管理者は、展開後にポートレットを記述する場合にこの説明を使用します。
これにより、Lotus Domino Designer で Web Services Description Language (WSDL) ファイルが作成され、コンポーネントがプロパティを参照できるようになります。このファイルは、残りのコンポーネントファイルと一緒に WebSphere Portal に展開されます。
既存の WSDL ファイルを編集する場合、既存のワイヤリングプロパティ設計要素を更新して変更内容を反映する必要があります。ワイヤリングプロパティ設計要素の更新について詳しくは、「Lotus Domino Designer で編集済み WSDL ファイルを更新する」を参照してください。
複合アプリケーションのプロパティのデータ型を定義する
複合アプリケーションでは、IBM(R) WebSphere Portal(R) プロパティブローカーを使用してアプリケーションのコンポーネント間で情報を交換します。プロパティブローカーはプロパティのインスタンスと値をポートレットとの間で送受信してアクションを起動します。
プロパティブローカーとは、連携するソースポートレットとターゲットポートレットの関係をセッションで決定し、データを対応するポートレットアクションの書式でターゲットに配信する WebSphere(R) Portal インターフェースのことです。WebSphere Portal プロパティブローカーについて詳しくは、http://www.ibm.com/websphere/portal/library を参照してください。
次に示す手順により、プロパティのデータ型を設定します。
5. エディタの [タイプ] タブをクリックします。[タイプ] ページで作成した新しい型は、[プロパティ] ページの [タイプ] リストに表示されます。
メモ 通常、プロパティの型は文字列です。一般に、文字列、整数、日付/時刻など、複数の型を含むプロパティに対してのみ新しいプロパティの型を設定します。
6. 新しいプロパティの型を作成するには、次のいずれかの操作を実行してください。
9. [ファイル] - [保存] をクリックしてすべての新しい型と変更内容を保存します。
フォームの [タイプ] セクションの下に [タイプ名前空間] セクションがあります。デフォルトでは、このセクションは省略されています。セクションを開くには、[タイプ名前空間] のテキストをクリックします。このセクションはネームスペースを追加するときにネームスペースの入力エラーを防止するために用意されています。型に接頭辞を割り当てることもできます。[タイプの詳細] セクションの [Namespace] フィールドは編集できないため、コンポーネントが認識できる有効なネームスペースからだけ選択できるようになっています。
[タイプ名前空間] セクションでは、ネームスペースに接頭辞を追加して、別のコンポーネントや別の外部標準コンポーネントから型を参照することができます。[追加] をクリックして新しいネームスペースを追加します。[接頭辞] フィールドに新しい接頭辞を、[Namespace] フィールドに該当するネームスペースを入力します。型のネームスペースを削除するには、左側のリストから削除するネームスペースを選択し、[削除] をクリックします。
複合アプリケーションのアクションとアクションパラメータを作成する
複合アプリケーションでは、別のポートレットが受信するプロパティをポートレットが発行するときにトリガとなるアクションを定義する必要があります。具体的なアクションには、コンポーネントページを変更または更新すること、現在のページを Web サイトにリダイレクトすることなどがあります。
複合アプリケーションでは、アクションを発生させるためにはその前に次の手順が行われる必要があります。
5. キャンバスの [アクション] タブをクリックします。[ワイヤリングアクション] というタイトルのフォームが表示されます。
6. [ワイヤリングアクション] フォームで次の操作を行います。
オプションを変更する場合は、オプションの選択を解除して無効にします。
メモ 省略可能:[アクションの詳細] インフォボックスの [説明] フィールドに、アクションの説明を入力します。管理者は、展開後にポートレットを記述する場合にこの説明を使用します。
ここで、アクションに対して次のことを定義する必要があります。
アクション入力パラメータ
アクション入力パラメータを使用して、アクションが入力パラメータに関連付けられていることを識別します。このアクションは、入力プロパティが発行され、アクティブな場合にトリガされます。この後で、スクリプトの値を使用して、値に依存するページのすべての情報を更新します。
アクション入力パラメータを設定するには、[ワイヤリングアクション] フォームの [アクション入力パラメータ] セクションの [プロパティ] フィールドで関連付けられた入力プロパティを指定します。この後、このプロパティの発行に応答してアクションがトリガされます。アクションが呼び出されるとき、このプロパティの値をスクリプトで要求できます。
アクション出力パラメータ
アクションがプロパティを発行する場合、アクション出力パラメータを定義する必要があります。この操作を行うには、[ワイヤリングアクション] フォームの [アクション出力パラメータ] セクションにある [選択可能なプロパティ] インフォボックスと [選択されたプロパティ] インフォボックスを使用します。
[選択可能なプロパティ] インフォボックスには、現在の WSDL ファイルのプロパティのうち出力プロパティとして選択されていないものがすべてリストされます。1 つ以上のプロパティを選択し、[追加] をクリックして現在のアクションの出力パラメータとして設定します。
[選択されたプロパティ] インフォボックスには、現在のアクションの出力パラメータとして選択されているプロパティのリストが表示されます。
これで、[追加] ボタンと [削除] ボタンを使用して [選択可能なプロパティ] リストから出力パラメータを設定および設定解除できます。
必ず [ファイル] - [保存] をクリックしてアクションの入力および出力パラメータのすべての変更を保存してください。
関連項目